想うこと&ひとりごと

実話♪谷川俊太郎さんに学ぶ♪

「自分を表現する」「自分らしく生きる」って、言うのは簡単ですがなかなか難しい部分もありますよね(^^;)
社会に生きている以上、社会的対応というものがあります。
でも、いつのまにか社会的対応の枠を超えて、周りに受けがいいように・・・ということが優先してしまうことってありませんか?
周りの期待を察して、それに応えようと頑張ってしまったり・・・。
私は、あるんですね~(^^;)
そうでないと、「あのヒトはKY」なんて言われるんじゃないかと気になりますしね~(笑)。
そこら辺のバランスをとりつつ、自分が一番表現したいことを妥協せずに表現するって、本当に難しいな~と思います。
そんな風見鶏的な私ですが、今年は結構衝撃を受けることがありました。
それは、子供の通う小学校での出来事ことでした。
うちの子の学校は少子化のあおりを受けて、今年の4月に他の学校と合併して、新しい学校になったんですが、その際校歌が新しく作られることになり、同じ区に住む有名な詩人、谷川俊太郎さんが歌詞を書いて下さることになったんです。
新しい校歌はとても素敵で、「さすが谷川さん・・・!!」と思うような気の利いた歌です。
ただビックリしたのは、校歌なのに学校の名前が全く出てこないこと・・・(^^;)。
普通の校歌は、「〇〇小学校~♪」とかって、1度くらいは入りますよね。
でも、谷川さんの歌詞には学校の名前どころか、「校歌かな」と匂わせる部分も全くなく、学校の地名なんかも全く入っていません。
歌だけ聞いたら何の歌だか見当もつきませんし、まるでNHKの「みんなのうた」に出てきそうな感じの、明るい歌なんですよ~☆
きっと、谷川さんのこだわりがあってのことなんでしょう。
もし私が歌詞を書く立場だったら、「学校名は入れなくちゃ」ってな感じになっていたと思います(^^;)。
そんな谷川さんは、実際もなかなか気骨があるというか、周りに媚びることなく、ご自分の世界を外部に対して全く臆せずに表現なさる方でした!
それは、この夏のこと。
校歌を創ったということで、谷川さんは学校の式典に招待されました。
子供達は、いつも絵本で親しんでいる谷川さんがいらっしゃるというので、公開質問を準備したりして、熱烈歓迎ムードで出迎えました。
もちろんPTAから各家庭にお知らせも入り、谷川さんを一目見ようと多くのお母さん達が式典に参加していました(もちろん私も!)。
ところが・・・(^^;)
会場に入ってきた谷川さんは普段着姿で淡々としており、皆の歓迎ぶりにも決して愛想良いわけではありませんでした。
そして子供たちが用意した質問に「はい」とか「いいえ」とか、長くても1つの文で答えるだけなんです・・・。例えば、
子供たち:「谷川さんは、どうして詩人になろうと思ったんですか?」
谷川さん:「高校の時、友達に誘われたからです(キッパリ!)」
・・・・・・・・・・・しーん・・・・・・・・・・

自分の返事についての補足的な説明は一切なし・・・。
子どもたちも先生方も、「えっ・・・?」と言葉につまり、その場の空気がなんとな凍っていましたっけ・・・。
最近はテレビなどで著名人がバラエティーをはじめ沢山の番組に出ては気の利いたコメントやエピソードを披露するのが普通になりましたから、恐らく式典に参加していた子供たちや学校関係者・PTA関係者はみんな、谷川さんが何か子供たちに教育的に良い話をしてくれるのではないかと期待していたと思うんです。
だって、子どもの絵本を書いたりしている谷川さんですから・・・。
でも谷川さんは、そんな期待というか甘えをバッサリ無視して、質問に的確に答えるだけ。
ちょっとそっけなさすぎるようにも見えました。
しかし、よく考えてみると、もしエピソードが聞きたかったら、そういった話を引き出すように、上手に質問すればいいんですよね。
例えば、上記の詩人になった理由だって、もっと色々な角度から質問をして、話を聞けばいいんです。
でも残念ながら子供達はまだそこまで成熟していませんので、台本通りに大雑把な質問をなげかけただけでしたし、その場でアドリブで追加質問するという芸当はできませんでした。
私が思うに、ある程度エピソードを話してくれることを期待して、質問の仕方ということについては深く考えてなかったと思います。
ですから会場はシーンとしたまま、あっという間に質問コーナーは終わってしまったのでした。
あれがもし芸能人だったら、気を利かせて間を持たせたり、子供たちが聞きたいであろうエピソードなどを察して、上手に話にして盛り上げてくれたかもしれません。
でも、谷川さんにはポリシーがあるように見えました。
決して、子供たちの気持ちを察してなかったわけではないと思います。
でも谷川さんは、絶対に媚びないんですね~☆
詩人として言葉で表現することに非常に厳しい方だからかもしれません。
私には非常に感じるところがありました。
谷川さんのように対応することが、いつもいいとは限らないでしょう。
相手のキャパによっては、その対応がちゃんと理解してもらえるのかもわかりませんし・・・。
でも自分のポリシーをあれだけ大人数のいる場所でも臆することなく貫けるというのは、すごいことだな~と思いました。
やはり、世に名を残す方というのは、普通のパワーとは違いますね☆
そのくらいのポリシーと覚悟がないと、あの詩の感性は出てこないのでしょうね・・・。
谷川さんの生き方のエネルギーに触れて、私も自分を見直すよいきっかけを頂いてしまいました♪
学びに感謝です☆

RELATED POST

POSTED COMMENT

  1. sam より:

    貴重な実話をシェア頂き、ありがとうございます。谷川俊太郎さんは、誠実な方なのでしょうね…!子供達に、ありのままを正直に話したお姿、いつの日か子供達にも解るといいなと感じました。